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「夜尿症」のはなし
毎年、林間学校などの学校行事の前になると、ある症状でお困りになりご来院される方が
おられます。そのある症状とは「夜尿症」です。ファーストチョイスで鍼灸を受療する方
はめずらしく、現代医学的な治療を受けた後に症状の改善がみられないので、鍼灸ならど
うだろう?という事になるようです。膀胱の奇形や脳神経の障害などを伴わない夜尿症は
鍼灸治療が適応します。膀胱は容量の半分以上、成人で約300から400CCになると膀胱内
圧があがり、その刺激は骨盤神経(副交感神経)を通し、仙髄に伝えられ、まず不随意筋
である膀胱拮約筋(内拮約筋)がゆるみ、同時に中枢神経へも伝えられ、尿意をもよおし
ます。排尿時にはがまんして排尿を止めていた随意筋である尿道拮約筋(外拮約筋)も、
仙髄から出る陰部神経の働きによりゆるむと同時に、膀胱も反射的に収縮し、尿道も同様
にゆるみます。
これらの反射の中枢となるのが仙髄です。仙髄およびその周辺に何らかの障害が起こると
夜尿症などの症状があらわれるようです。また仙骨神経は副交感性の繊維が含まれるので
自律神経(交感神経と副交感神経)の働きも関連してきます。このように夜尿症は身体的
因子に精神的な因子が作用していることが多いので、叱ったり、きつく注意したりすると
却って本人の心と身体を締め付けて逆効果を招きます。和田はり灸院では主に下腹部と仙
骨部分にあるツボを治療しますが場合により手や足のツボを用いたりします。夜尿症につ
いては、直接灸が、かなり有効であった症例が多く自宅で施灸をお願いする場合もござい
ます。通院が困難な場合は灸点に目印をいれて施灸方法をお教え致しますので「夜尿症」
でお困りの方は是非、和田はり灸院へご来院下さい。